喫煙者はハゲる?AGAとタバコの関係の真実

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喫煙者はハゲやすい、と聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。喫煙が健康に悪いことは多くの人が知っていると思いますが、髪に悪いというのはあまりピンとこないでしょう。しかし、喫煙と薄毛には深い関係があるのです。


ここでは、喫煙がどのようにAGAに関係しているのかご紹介するとともに、加熱式タバコや受動喫煙とAGAの関係もご紹介いたします。
現在、タバコを吸っている方は自分のためだけではなく、周りの人のためにもこれを読んで禁煙を考えてみてください。

この記事のポイント

ポイント1

ニコチン、一酸化炭素、タールといった有害物質はAGAを発症させる原因となる

ポイント2

加熱式タバコは、有害物質を大幅にカットしていても、AGAを発症させる原因となる

ポイント3

副流煙は主流煙よりも髪の毛に悪い影響を与える

喫煙するとハゲるって本当?

タバコには多くの有害物質が含まれていて、喫煙すると健康にさまざまな影響を及ぼします。タバコの影響で最も知られているのがガンでしょう。喫煙によって発がん率が高まることが知られています。

喫煙による影響の中のひとつに、薄毛もあると考えられています。多くの薄毛の原因は、AGAです。AGAはさまざまな要因が作用しあって発症すると考えられていて、その中のひとつに喫煙があります。

AGAとは?

AGAは男性型脱毛症といい、思春期以降の人に現れる脱毛症です。男性型と呼んでいますが、男性ホルモンが関係しているため男性に多いだけで、女性にも同様の薄毛は見られます。AGAで薄毛になる部位は、頭頂部や前頭部の生え際などの特徴があります。

AGAは、ヘアサイクルの成長期が短くなるために生じる薄毛です。成長期は、毛母細胞が活発に細胞分裂し髪の毛が太く長く成長する期間です。その期間が短くなってしまうと、髪の毛は十分に成長できなく細く短くなってしまいます。

AGAの原因で一番大きいのが男性ホルモンです。男性ホルモン(テストステロン)は、5α-リダクターゼという還元酵素によってジヒドロテストステロン(DHT)に変換されます。DHTが毛乳頭細胞にあるアンドロゲンレセプターと結合すると、脱毛因子・TGF-βが生成されてしまうのです。

TGF-βは脱毛を促進し、ヘアサイクルの成長期は短くなってしまいAGAが発症してしまいます。AGAを発症する原因は、アンドロゲンレセプターの数や感受性といった遺伝的要因が大きいのですが、それだけではありません。偏った食事、睡眠不足、ストレス、喫煙などが複合的に作用してAGAが発症すると考えられています

喫煙とAGAって関係しているんだね。

タバコはまさに百害あって一利なしって感じかも。

喫煙とAGAの関係

タバコに含まれる有害物質で、最も薄毛と関係しているのはニコチンです。ニコチンの作用としてよく知られているのは、依存性でしょう。ニコチンには依存性以外にもさまざまな有害な作用があります。その中に薄毛と関係している作用も含まれているのです。

また、タバコに含まれている一酸化炭素や、喫煙によって発生する活性酸素も髪の毛にとってよくありません。喫煙が髪の毛にどのような影響を及ぼすのかをご紹介いたします。

ニコチンの血管収縮作用は薄毛の原因になる

ニコチンは、自律神経に作用して交感神経を刺激します。交感神経が優位になると末梢の血管は収縮して血流が悪くなります。頭皮への血流が悪くなると、毛母細胞に髪の毛の成長に必要な栄養や酸素が十分に運ばれなくなり、髪の毛の成長を阻害することになるのです。

血流が悪化すると体温が低くなります。体温が下がると代謝が低下し、栄養は生命維持に必要な部分に優先的に使われてしまうのです。そのため、髪の毛などの生命維持と関係がない部分の栄養は不足し、髪の毛の成長が阻害されやすい状態になります。

また、交感神経優位になると、汗腺や皮脂腺の働きが活発になり発汗量・皮脂分泌量が増えます。頭皮に汗や皮脂がついたまま放っておくと、菌の異常繁殖や炎症などを引き起こし頭皮環境の悪化につながります。

一酸化炭素は髪の毛の成長に必要な酸素を奪う

タバコに含まれる一酸化炭素も髪の毛に悪影響を及ぼします。
全身で必要となる酸素は、赤血球に含まれるヘモグロビンと結合して運ばれます。一酸化炭素は酸素よりも強力にヘモグロビンと結合するため、ヘモグロビンと結合している酸素が少なくなり、全身で酸素が不足してしまいます。

毛母細胞に運ばれる酸素が少なくなると、髪の毛の成長に必要な酸素が足りなくなるため、髪の毛の成長を阻害し抜け毛が増える可能性があります。

活性酸素は薄毛につながる?

喫煙によって体内に有害物質が大量に取り込まれると、活性酸素が大量に発生します。活性酸素は、体内の免疫機能や感染防御の役割があり、喫煙による有害物質を取り除こうとします。

しかし、活性酸素が大量に発生すると、有害物質だけでなく正常な細胞を酸化させて老化やガン化を引き起こすのです。毛母細胞が活性酸素によって傷害されると、髪の毛の成長が阻害されてしまいます。

また、喫煙で発生した活性酸素を取り除くために、スーパーオキシドジスムターゼやカラターゼと呼ばれる酵素が体内で合成されています。抗酸化酵素の主成分のひとつである亜鉛は、髪の毛が成長するための重要な栄養分のひとつです。抗酸化酵素を合成するために亜鉛が使われてしまうと、髪の毛の成長に必要な亜鉛が不足してしまう可能性があります。

喫煙による活性酸素の発生で、抗酸化作用があるビタミンCやビタミンEも消費されます。ビタミンCはタバコ1本吸うと、25mg消費されるといわれています。成人が1日に必要なビタミンCは100mgとされているので、4本吸っただけで1日に必要なビタミンCがすべて消費されてしまうのです。ビタミンCもビタミンEも髪の毛の成長には非常に大切な栄養のため、喫煙によって消費されてしまうと、髪の毛の成長に必要な分が不足する可能性があります。これらの栄養が不足した結果、髪の毛の成長が阻害されて、抜け毛に結びついてしまうかもしれないのです。

髪の毛の成長に必要な栄養はサプリメントで補う

喫煙は、髪の毛だけではなくさまざまな悪影響を及ぼすためやめた方が良いのですが、髪の毛の栄養の不足ということだけを考えるなら、サプリメントで補充しても良いでしょう。

薄毛予防のサプリメントの中で、ビタミンCやビタミンE、亜鉛が多めに配合されているサプリメントを飲めば、髪の毛の成長に必要な栄養を補うことができます。しかし、薄毛予防のサプリメントは、喫煙する人のために開発されているわけではありません。喫煙する人は、ひとつの薄毛予防サプリメントでは、喫煙によって消費されてしまう栄養を補えない可能性があります。その場合は、ビタミンCや亜鉛などを補えるサプリメントを別に補充したほうがよいでしょう。

ビタミンCは水溶性ビタミンのため、必要以上に摂取しても尿と一緒に排出されてしまいます。そのため、ビタミンCが配合されているサプリメントは1日複数回に分けで飲んだ方が良いということを覚えておいてください。

しかし、タバコを吸うためにわざわざ何種類ものサプリメントを飲まなければいけない、というのは健康面だけではなく手間や費用面から考えても割に合わないといえるので、禁煙することをおすすめします。

喫煙するとさまざまな栄養が消費されてしまうんだね。

喫煙していると、髪の毛の成長に必要な栄養が足りなくなってしまうかも。

加熱式タバコ、電子タバコも抜け毛が増える?

最近、話題になっている加熱式タバコ・電子タバコ。「アイコス」を代表とする加熱式タバコのうりは、紙タバコに比べると有害物質が少ないということです。

加熱式タバコは、タールや一酸化炭素は大幅に削減されているため、これらが髪の毛に及ぼす影響は軽減されているといえるでしょう。しかし、ニコチンが含まれているため、血管収縮による血行悪化は起こります。そのため、髪の毛に対する悪影響がなくなったわけではなく、あくまでも紙タバコよりは軽減されたということです。

また、「ベイプ」を代表とする電子タバコ。ニコチンやタールが含まれていない電子タバコは、人体への影響は少ないと考えられています。しかし、ニコチンやタールが含まれていないからといって、人体に影響がないかは今の段階ではわかっていません。

「アイコス」などの加熱式タバコにもニコチンが含まれているから、髪の毛には良くないんだね。

有害物質は大幅にカットしていても、髪の毛に悪いことには変わりはないってことね。

副流煙はさらに薄毛になりやすい?

喫煙していない人でも、周りに喫煙している人がいると髪の毛に悪い影響があるといわれています。

ご紹介したように、タバコには髪の毛に悪影響を及ぼす有害物質が多く含まれています。タバコには口にくわえる部分に、有害物質を軽減するためのフィルターがついています。副流煙はフィルターを通っていない煙のため、主流煙よりも多くの有害物質が含まれているのです。

そのため、喫煙していない人でも副流煙を吸ってしまうと髪の毛の成長が阻害されて、薄毛になってしまう可能性があります。

厚生労働省が発表している、たばこ1本に含まれている化学物質の重量主流煙と副流煙の比率をまとめておきます。

 

有害成分

      副流煙/主流煙比

一酸化炭素

3.4~21.4

ニコチン

2.8~19.6

タール

1.2~10.1

      カルボニル類

ホルムアルデヒド

6.2~121.4

アセトアルデヒド

2.2~14.4

アセトン

2.5~11.5

アクロレイン

4.3~29.0

プロピオンアルデヒド

2.4~14.6

クロトンアルデヒド

3.7~20.8

メチルケチルケトン

2.3~14.3

ブチルアルデヒド

2.3~8.6

       窒素酸化物

一酸化窒素

15.8~61.3

窒素化合物

16.3~64.6

   アンモニア

294.2~2,565.5

   

  揮発性有機化合物

1,3-ブタジエン

6.3~43.0

イソプレン

6.0~37.4

アクリロニトリル

10.5~88.6

ベンゼン

8.2~42.0

トルエン

10.9~68.8

        ベンゾ[a]ピレン

7.6~48.8

たばこ特異的ニトロソアミン類

MNN:N-ニトロソノルニコチン

0.8~3.7

NAT:N-ニトロソアナタビン

0.4~1.9

NAB:N-ニトロソアナバシン

0.7~1.6

NNK:4-(メチルニトロソアミノ)-1-(3-ピリジル)-1-ブタノン

1.9~4.9

参考:厚生労働省「生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット」

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco/t-05-004.html

数値に幅があるのは、市販のタバコ7種類を調べた結果、銘柄によって有害物質の含有量に差があったそうです。1より大きい数字が記載されている物質は、主流煙より副流煙の方が多く含まれていることを表しています。

 

髪の毛に大きく影響すると考えられる、ニコチンや一酸化炭素は主流煙の3倍前後副流煙に含まれています。喫煙は主流煙のほぼ全てを吸いますが、受動喫煙は副流煙の全てを吸うわけではないため、受動喫煙の方が喫煙するより3倍髪に悪い影響を及ぼすとはいえませんが、副流煙を吸うと髪の毛に悪影響することに間違いはありません。

副流煙の方が有害物質は多く含まれているんだね。

もう、喫煙している人の近くに行きたくないかも。

まとめ

  1. 喫煙によって取り込まれるニコチン・一酸化炭素をはじめとする有害物質は髪の毛の成長を阻害する
  2. 喫煙によって発生した活性酸素は髪の毛の成長を阻害する
  3. 副流煙には、主流煙以上に有害物質が含まれていて、薄毛に結びつく可能性がある

喫煙とAGAの関係をご説明してきました。タバコをやめたからといって全てのハゲが治るわけではありません。冒頭でもご紹介しましたが、AGAはさまざまな要因が複合的に作用しあって発症すると考えられているため、禁煙をしただけでハゲが治るとは限らないのです。

しかし、禁煙が薄毛を改善するひとつの方法であることは確かです。また、他の原因とは違い周りにいる人にまで悪い影響を与えてしまいます。喫煙している方は、これをきっかけに禁煙することをおすすめします。